総額2兆3,000億円という事業会社として戦後最大となる負債を抱え、2010年に経営破綻した日本航空(JAL)。そのJALを奇跡と言われる再建に導いたのが、2022年8月に逝去された京セラ創業者の稲盛和夫氏である。破綻後の新社長として難しい経営の舵取りを担った大西 賢氏、稲盛氏の側近としてJAL社員の意識改革に奮闘した大田嘉仁氏のお二人に、知られざる再建の軌跡、稲盛氏に学んだ経営の要諦、リーダーシップの神髄を語り合っていただいた。
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日本航空元社長
大西 賢
おおにし・まさる
昭和30年大阪府生まれ。灘高等学校を経て、53年に東京大学工学部を卒業後、日本航空に入社。整備畑での経験を経て、平成22年に日本航空インターナショナル管財人代理兼社長に就任、24年に会長、30年から特別理事を務めた。現在は帝人社外取締役、商船三井社外取締役、かどや製油社外取締役、学校法人国際大学理事、学校法人東洋大学客員教授、ベネッセHD社外取締役を兼任。
日本航空元会長補佐専務執行役員
大田 嘉仁
おおた・よしひと
昭和29年鹿児島県生まれ。53年立命館大学卒業後、京セラ入社。平成2年米国ジョージ・ワシントン大学ビジネススクール修了(MBA取得)。秘書室長、取締役執行役員常務などを経て、22年日本航空(JAL)会長補佐・専務執行役員に就任(25年退任)。27年京セラコミュニケーションシステム代表取締役会長に就任(30年退任)。現職は、MTG取締役会長、学校法人立命館評議員、鴻池運輸社外取締役、新日本科学顧問、日本産業推進機構特別顧問など。著書に『JALの奇跡』(致知出版社)がある。