敗戦後、北朝鮮で難民となり、病身の母と幼い妹と共に幾多の命の危機を乗り越えて、祖国・日本に引き揚げてきた天内みどりさん。極限状態の中で人間を最後に支えるものは何か――壮絶な引き揚げ体験を交えて語っていただいた(写真:洗心美術館〈青森県八戸市〉に所蔵されている彫刻家・関頑亭氏の作品「平和の祈り」の傍で)。
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天内みどり
あまない・みどり
昭和8年青森県生まれ。20年母と妹と共に、陸軍獣医の父がいる満洲へ渡る。引揚げ後は、1年遅れて福井の上穴馬小学校荷暮分校を卒業。22年秋、穴馬中学校から八戸の三条中学校へ転校。その後、地元の八戸東高等学校、弘前大学文理学部を経て化学教師となる。平成3年退職。著書に『芙蓉の花-北朝鮮引揚げの記録』(近代文芸社)がある。