2021年9月号
特集
言葉は力
  • マザーズスマイルアンバサダー協会代表理事田崎由美

愛心から発せられる言葉は
必ず相手に伝わる

子育てのノウハウではなく、母親と子供の「心と自信を育む」ための講座を実施されている田崎由美さん。単なる言葉ではなく、愛心・真心から出た言葉には、目に見えない大きな力が宿っているといいます。難病を患ったご子息の闘病を支える中で田崎さんが掴んだ学びを、ご自身の言葉で語っていただきました。

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ちょっとした言葉掛けで親子の会話が変わる

一人でも多くのお母さんと子供を幸せにしたい――

そんな切なる願いを込めて、2012年からお母さん方に「心と自信を はぐくむ子供とのコミュニケーション術」をお伝えするようになりました。身近なママ友から始めたこの活動は口コミで広がり、いまでは小中学校の保護者向け講演会や教職員向けの教育委員会の場、オンラインでは海外の方ともつながり、累計3,700名以上の方にお話ししてきたことになります。

近年は不登校や行き渋りが増加傾向にある上、「自分の育て方が悪かったのでは」「うちの子は〇〇ができない」など、ご自身の子育てに自信のないお母さんがとても多くなりました。世の中に子育てに関する情報が多すぎるがゆえに、インターネット上に あふれるよき母親像やよその家の成功事例と比べ、落ち込んでしまうのです。そして、目の前にいる子供との問題にも かかわらず、直接子供と話し合わずにネットに答えを探し求めてしまう。

ちょっとしたことでいいのです。子供が何に悩みを抱え、どんな気持ちでいるのか、心を通わせ聞いてみてほしい。学校から帰ってきた子供に「お帰り」と声を掛け、「きょうはどうだった?」と聞く。たった3分間でも、他愛もない内容でも、心の通った会話を大切にしてほしい。それが講座で伝え続けている私の願いです。

マザーズスマイルアンバサダー協会代表理事

田崎由美

たざき・ゆみ

昭和49年福岡県生まれ。短大卒業後、日産自動車メーカー直営のショールームに入社、結婚を機に退職。2児の母であり、息子の大病を機に命と向き合うようになる。12年間の専業主婦を経て、平成24年からマザーズスマイルアンバサダー協会の前身マザーズスマイルコミュニケーションを立ち上げる。これまでに3,700名以上に親子のコミュニケーションのあり方を伝え続ける。