日本の食料自給率は年々目減りし、実質18%に落ち込んでいるとも言われる。暗い影を落としているのが日本の食の土台たる米の収穫減、農村の衰退だ。米作り農家として国の減反政策に抗い、「若者が夢と希望を持てる農業の創造」に人生を懸けてきた涌井 徹氏に訊く、日本の農業の生き筋。
大潟村あきたこまち生産者協会会長
涌井 徹
わくい・とおる
昭和23年新潟県生まれ。農業専門学校を卒業後、45年21歳で秋田県大潟村に入植。62年大潟村あきたこまち生産者協会設立。同社を〝新農業政策のモデルケース〟と呼ばれる有力企業に育て上げる。令和3年パックごはんの販売を開始。近著に『大地を起こし、農を興す』(秋田魁新報社)がある。