2022年2月号
特集
百万の典経てんきょう  日下にっかともしび(とう)
インタビュー②
  • 車いすの元気配達人柳岡克子

生かされている命を
人のために

チャレンジは果てしなく

両手足に障害を持って生まれながらも、両親や友人の支え、並々ならぬ努力とチャレンジ精神で自らの人生を力強く切り開いてきた柳岡克子さん。その柳岡さんに人生の歩みと実体験を交えながら、命の尊さ、この世のすべてに感謝することの大切さをお話しいただいた。

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難病を乗り越えて命の大切さを伝える

——柳岡さんは障害や難病を乗り越え様々な分野でご活躍です。現在の活動についてお話しください。

いまは公益社団法人日本オストミー協会和歌山県支部長をしています。人工肛門や人工膀胱ぼうこうを保有している方の患者会です。
私自身潰瘍性大腸炎かいようせいだいちょうえんという難病となり、大腸を全摘しオストメイトになりました。入院が続き、社会福祉士の専門学校の通信生となって資格を取りました。仕事は2019年から和歌山県教育委員会の会計年度任用職員として採用されました。スクールソーシャルワーカーとして2019年は中学校で月二日、現在は高校で週一日、問題を抱える生徒の支援をしています。
その他、全国の小中高校や様々な団体様に呼んでいただいて講演活動をしています。しかし、新型コロナウイルスの影響で集合研修ができなくなってZoomズームでのオンラインにもチャレンジしています。

——講演会では、どのようなテーマでお話をされるのですか。

「生きている喜び」という演題で、「自分の命も友達の命も大切にし、自殺したりいじめたりしないで」とこれまでの人生体験を交え、命の大切さ、人を思いやる心についてお話ししています。

車いすの元気配達人

柳岡克子

やなおか・よしこ

昭和39年和歌山県生まれ。両手足に障害を持って生まれ、2歳半まで病院で過ごす。母親の送り迎えで健常児と同じ幼稚園、小中高校に通い、57年神戸学院大学薬学部に入学。卒業後薬剤師となり地元のドラッグストアに勤めながら、柳岡塾を開設。障害者卓球の選手としても世界大会で好成績を残す。潰瘍性大腸炎となりパラリンピック出場を逃すも「2020東京オリンピック」の聖火ランナーとして走る。和歌山県身体障害者連盟評議員、日本会議和歌山女性の会副会長も務める。