運命は固定したものではなく、自ら切り開いていくもの。この立命の心を説くのが中国明末の書『陰騭録』である。仏道を歩みながら運命論の研究を重ねてきた異色の僧侶・山路天酬氏に、この稀有なる書から学ぶべき運命好転の心得を繙いていただいた。
あさか大師香林寺山主
山路天酬
やまじ・てんしゅう
昭和27年栃木県生まれ。16歳で弘法大師空海の書に触れ、真言密教の僧侶になることを決意する。三宝院流と修験恵印法流にて入壇。57年、第1回八千枚護摩を成満。以後、成満50回に及ぶ。また他の法流をも相承し、野沢諸法流総許可を受く。平成12年、伝燈大阿闍梨位。30年あさか大師香林寺を開山。初代山主となる。『九星気学立命法』(青山社)など著書多数。中医師、整体師、書家、随筆家として活躍する一方、九星気学、茶道、花押、古美術、挿花などにも精通する。