一介の英語教師から身を起こし、50歳にしてプロの音楽家に転身した異色の指揮者がいる。青年期から苦しめられた躁鬱病を克服し、幾度の困難を音楽の力を信じて乗り越えてきた根本昌明氏、その人だ。その命懸けの演奏は、聴衆の心だけではなく、オーケストラや合唱団のメンバーの魂にも火をつけるだけの迫力を持つという。一音入魂に徹した指揮者の言葉には、熱と誠が溢れている。
指揮者
根本昌明
ねもと・まさあき
昭和24年東京都生まれ。上智大学卒業。公立中学校英語教師の傍ら、61年から10年間レーベンバッハ吹奏楽団を組織。平成8年プロオーケストラを指揮し、楽壇デビューを果たす。24年東京ニューシティ管弦楽団、東京合唱協会を指揮し、「第九」東北復興支援チャリティーコンサートを調布市・福島市で開催。以降、「東北復興支援コンサート」を福島市内で毎年続けている。28年からベートーヴェンが作曲した全九曲の交響曲連続演奏会(チクルス)を始める。