草木染め作家の坪倉優介氏は18歳の時の交通事故で記憶のほとんどを失った。喜怒哀楽の感覚さえなくしてしまった坪倉氏は、長い年月をかけて言葉や感情を取り戻し、現在は大阪市内に工房を構え、創作活動の傍ら着物や染め物の魅力を伝え続けている。これまでの半生を振り返りながら、自身の支えとなった言葉についてお話しいただいた。
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草木染め作家
坪倉優介
つぼくら・ゆうすけ
昭和45年大阪府生まれ。大阪芸術大学在学中に交通事故に遭い、一命は取り留めたもののそれまでの記憶のほとんどを失う。同大学専攻科を卒業後、染織作家・奥田祐斎氏に弟子入り。独立後、平成18年「ゆうすけ工房」を開設。著書に『記憶喪失になったぼくが見た世界』(朝日新聞出版)。