数千年の時を経たいまなお読み継がれる不朽の歴史書『史記』。その内容もさることながら、著者である司馬遷の「百折不撓」の生涯もまた、多くの人々に仕事や人生の指針を与えてきた。高校時代に出合って以来、『史記』を座右の書として味読してきたという能楽師の安田 登氏に、司馬遷の生き方や『史記』の魅力、いま私たちが学ぶべき教えを紐解いていただいた。
能楽師
安田 登
やすだ・のぼる
昭和31年千葉県生まれ。高校教師時代に能楽と出合う。ワキ方の重鎮・鏑木岑男師の謡に衝撃を受け27歳で入門。現在は、ワキ方の能楽師として国内外を問わず活躍し、能のメソッドを使った作品の創作、演出、出演などを行う。『能 650年続いた仕掛けとは』(新潮新書)『身体感覚で「論語」を読みなおす』(新潮文庫)『日本人の身体』(ちくま新書)『NHK100分de名著 史記』(NHK出版)など著書多数。