2,000年以上もの時を経て、いまなお読み継がれている『論語』。そこに刻まれている孔子の卓越した思想は、弟子たちとの問答を通じて導き出され、評価され、私たちの元へ届けられたものである。まさに師資相承の物語ともいえるこの名著について、中国古典研究者の宇野茂彦氏と、弊誌でもお馴染みの數土文夫氏に繙いていただき、孔子が現代を生きる私たちに語りかけるものを考察したい。
公益財団法人斯文会理事長
宇野茂彦
うの・しげひこ
昭和19年東京都生まれ。43年東京大学文学部卒業。49年同大学院人文科学研究科修士課程修了退学。愛知教育大学、青山学院大学、名古屋大学教授を経て、中央大学教授。現在、中央大学名誉教授、斯文会理事長。著書に『孔子家語』(明治書院)『孔子ものがたり』(斯文会)『諸子思想史雜識』(研文社)など。
JFEホールディングス名誉顧問
數土文夫
すど・ふみお
昭和16年富山県生まれ。39年北海道大学工学部卒業後、川崎製鉄入社。常務、副社長などを経て、平成13年社長に就任。15年経営統合後の鉄鋼事業会社JFEスチールの初代社長となる。17年JFEホールディングス社長に就任。経済同友会副代表幹事、日本放送協会経営委員会委員長、東京電力会長を歴任し、令和元年より現職。著書に『徳望を磨くリーダーの実践訓』(致知出版社)。