2025年6月、日本人としては佐渡裕氏以来14年ぶりに、世界最高峰のオーケストラであるベルリン・フィルハーモニー管弦楽団の定期公演に登場し、世界から絶賛された指揮者の山田和樹氏。音楽教師として赴任した小中学校のリード合奏やオーケストラを次々と全国優勝に導き、90歳を迎えるいまなお千葉県少年少女オーケストラの音楽監督として子どもたちの指導に情熱を燃やしている佐治薫子氏。音楽を通じて20年以上にわたる交流を続けてきた両氏に、これまでの歩みを交え、よき出逢いを実現し、運命の扉を開く要諦を語り合っていただいた。
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指揮者
山田和樹
やまだ・かずき
1979年神奈川県生まれ。東京藝術大学音楽学部指揮科で、松尾葉子氏、小林研一郎氏に師事。在学中に「TOMATOフィルハーモニー管弦楽団」(現・横浜シンフォニエッタ)を結成。2009年第51回ブザンソン国際指揮者コンクールで優勝。以後、2012年~2018年スイス・ロマンド管弦楽団の首席客演指揮者、2016/17シーズンからモンテカルロ・フィルハーモニー管弦楽団芸術監督兼音楽監督、2023年4月からバーミンガム市交響楽団首席指揮者兼アーティスティックアドバイザーを務め、2024年5月には同団音楽監督に就任。日本では、東京混声合唱団音楽監督兼理事長、横浜シンフォニエッタの音楽監督などを務める。2025年6月、日本人としては14年ぶりに、世界最高峰のオーケストラであるベルリン・フィルハーモニー管弦楽団を定期公演で指揮し、世界から絶賛される。
千葉県少年少女オーケストラ音楽監督
佐治薫子
さじ・しげこ
1935年千葉県生まれ。1956年千葉大学教育学部音楽科卒業後、音楽教師として君津市立松丘中学校に赴任。リード合奏の指導に情熱を傾け、同校を5回の全国優勝に導く。1966年船橋市立前原小学校へ転任、オーケストラの指導を行う。以後も習志野市立谷津小学校や市川市立鬼高小学校など、転任する先々で全国優勝を成し遂げ、「佐治マジック」「優勝請負人」などと高い評価を受ける。1996年教員を退職後、千葉県少年少女オーケストラの音楽監督に就任し、現在に至る。「音楽教育功労賞」(2008年)「地域文化功労者表彰」(2016年)など受賞・表彰多数。