幕末・明治期を代表する思想家・福沢諭吉。「文明開化論者」「啓蒙思想家」「欧化論者」として広く知られる福澤だが、実は旧士族社会の士風を重んじる「ナショナリズムの精神」を非常に強く持った人であった。50年以上にわたり福澤の著作に親しんできた拓殖大学学事顧問の渡辺利夫氏に、福澤の知られざる実像に迫っていただいた。
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拓殖大学 学事顧問
渡辺利夫
わたなべ・としお
昭和14年山梨県生まれ。慶應義塾大学卒業後、同大学院博士課程修了。経済学博士。筑波大学教授、東京工業大学教授、拓殖大学長、第18代総長などを経て、現職。外務省国際協力有識者会議議長、アジア政経学会理事長なども歴任。JICA国際協力功労賞、外務大臣表彰、第27回正論大賞など受賞多数。著書に『アジアを救った近代日本史講義』(PHP新書)『士魂―福澤諭吉の真実』(海竜社)などがある。