「酒造りの神様」「伝説の杜氏」と称される濃口尚彦氏、86歳。16歳で修業に入り、この道一筋70年になる現代の名工だ。全国新酒鑑評会で連続12回を含め、計27回の金賞受賞歴を誇り、その味を求めるファンは後を絶たない。濃口氏はいかにして腕を磨き高めてきたのか。酒造りを通じて掴んだ成功の法則とは何か。いまも飽くなき挑戦を続ける活力の源泉を交えつつ、語っていただいた。
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農口尚彦研究所、杜氏
農口尚彦
のぐち・なおひこ
昭和7年石川県生まれ。22年松波新制中学校卒業。24年山中正吉商店で修業を始める。その後、西井酒造、大村屋酒造での勤務を経て、36年菊姫合資会社の杜氏となる。平成9年同社を定年退職。10年鹿野酒造の杜氏として再出発する。18年現代の名工に認定。20年黄綬褒章を受章。25年農口酒造の杜氏となり、27年に一時引退。29年より現職。