渋沢栄一が創業や経営に関与した会社は実に約500社に上るという。ゼネコン大手の清水建設もその一社である。かつて先代の急逝で存亡の機に瀕した際、渋沢栄一を相談役として迎え、以後、道徳と経済の合一を旨とする「論語と算盤」の考え方を基に、事業発展を遂げてきた。清水建設会長の宮本洋一氏と渋沢栄一の玄孫である渋澤 健氏が語り合う、清水建設と渋沢栄一の交流の足跡、そこから見えてくる渋沢栄一の教えの真髄、いま私たちが学ぶべきこと——。
清水建設会長
宮本洋一
みやもと・よういち
昭和22年東京都生まれ。46年東京大学工学部卒業後、清水建設入社。平成15年執行役員、17年常務執行役員、18年専務執行役員を経て、19年社長就任。28年会長就任。公益財団法人渋沢栄一記念財団理事を務める。
シブサワ・アンド・カンパニー代表
渋澤 健
しぶさわ・けん
昭和36年神奈川県生まれ。44年父親の転勤で渡米。テキサス大学卒業後、UCLAでMBA取得。JPモルガン、ゴールドマン・サックスなどでの勤務を経て、平成13年シブサワ・アンド・カンパニーを創業。20年コモンズ投信を設立。渋沢栄一の玄孫。著書に『渋沢栄一 人生を創る言葉50』(致知出版社)など多数。