いい会社とは、そこで働く社員がイキイキしていること―そう語るのは、伊那食品工業社長・井上 修氏、65歳だ。同社は国内トップシェアを誇る寒天メーカーであり、「いい会社をつくりましょう」という社是のもと、会社の永続と社員の幸せを目指し、数々のユニークな取り組みを行っている。48期連続増収増益、業界シェア90%、新卒採用応募者数3000名……。これらの結果を生み出した背景にあるものとは何か。井上氏と長年親交のある志ネットワーク「青年塾」代表・上甲 晃氏に聞いていただいた。
伊那食品工業社長
井上 修
いのうえ・おさむ
昭和26年長野県生まれ。50年法政大学卒業。54年父親が創業した伊那食品工業入社。営業畑一筋に歩み、東京営業所所長、常務取締役営業本部長などを経て、平成17年社長就任。19年に公益社団法人中小企業研究センター主催「グッドカンパニー大賞」グランプリを受賞し、20年には三重県主催「第6回日本環境経営大賞」環境経営パール大賞を受賞。
志ネットワーク「青年塾」代表
上甲 晃
じょうこう・あきら
昭和16年大阪府生まれ。40年京都大学卒業と同時に松下電器産業(現・パナソニック)入社。広報、電子レンジ販売などを担当し、56年松下政経塾に出向。理事・塾頭、常務理事・副塾長を歴任。平成8年松下電器産業を退職、志ネットワーク社を設立。翌年、青年塾を創設。著書に『志のみ持参』『志を教える』など多数。最新刊に『志を継ぐ』(いずれも致知出版社)がある。