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三百有余年もの昔、常陸国に生まれ、本格的な日本地図を製作。江戸庶民の経済活動や幕末の志士に道標を与えたのが儒学者・長久保赤水である。学問分野を跨ぐ偉業は国内外で尊敬を集めるも、明治維新を境に歴史に埋もれてきた。自筆の地図に「千古一業」(千年万年、永遠に残る一大事業)の印を捺した赤水。40年の歳月をこの顕彰に捧げる佐川春久氏の語りから、稀有なる先人が命を燃やした大事に迫る。
『改正日本輿地路程全図』(寛政3年/第2版)特徴は、実測ではなく先達が遺した数多の文献、初版に所蔵された地図資料、道行く人や学友たちのネットワークによって製作された〝編集図〟である点。本図の前年には『蝦夷之国』を完成させた〈文中資料提供:高萩市教育委員会〉
長久保赤水顕彰会会長
佐川春久
さがわ・はるひさ
昭和24年東京都築地生まれ。47年22歳の時、茨城県高萩市に居を移し、市役所に奉職。広報広聴係での市報制作等を通して長久保赤水の事績を知る。平成24年長久保赤水顕彰会会長(三代目)となり、県内外で講演、新聞寄稿を多数行う。監修を務めた映画『その先を往け! 日本地図の先駆者長久保赤水』がYouTubeにて公開中。