新型コロナウイルスの出現に世界が翻弄されている。だが、これは初めてのことではない。巨視的に捉えれば、人類はウイルスと幾度も向き合い、その都度多くの犠牲を払いながら乗り越えてきた歴史が明らかになる。多角的視点での文明批評に定評があり、感染症の歴史に強い関心を持つ東京大学名誉教授の月尾嘉男氏に、人類とウイルスの闘いの歴史と、そこから得られる教訓についてお話しいただいた。
この記事は約14分でお読みいただけます
東京大学名誉教授
月尾嘉男
つきお・よしお
昭和17年愛知県生まれ。40年東京大学工学部卒業。46年東京大学大学院工学系研究科博士課程修了。53年工学博士(東京大学)。都市システム研究所所長、名古屋大学教授、東京大学教授などを経て平成15年東京大学名誉教授。その間、総務省総務審議官を務める。著書に『日本が世界地図から消滅しないための戦略』(致知出版社)など。