楽聖・ベートーヴェン。音楽家にとって生命線である聴力を失いながらも、数々の傑作を残した偉業は多くの人が知るところである。フランス革命が勃発した激動の時代を生き、幾多の絶望と苦悩を乗り越えた生涯を、長年ベートーヴェン研究に当たる平野 昭氏に語っていただく。この年末に生誕250周年を迎えるベートーヴェンの生き方が教えてくれるものとは——。
音楽学者
平野 昭
ひらの・あきら
昭和24年神奈川県生まれ。武蔵野音楽大学大学院修了。西洋音楽史及び音楽美学領域、18~19世紀ドイツ語圏器楽曲の様式変遷を研究。特にハイドン、モーツァルトからベートーヴェン、シューベルトに至る交響曲、弦楽四重奏曲、ピアノ・ソナタを中心にソナタ諸形式の時代様式及び個人的特徴を研究。沖縄県立芸術大学、静岡文化芸術大学、慶應義塾大学教授を歴任。著書に『ベートーヴェン』(新潮社)など多数。