人生百年時代。当初は希望的な印象の強かったこの言葉に、次第に現実の厳しさが加味され、私たちに生き方の再考を促している。数々の話題作を通じて人生のヒントを提示し続けてきた五木寛之氏と、東洋思想にもとづき人の生き方を探求し続けてきた境野勝悟氏は、この問題をいかに捉えているのだろうか。共に卒寿の二人が語り合う、人生の四季の歩み方に耳を傾けてみたい。
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作家
五木寛之
いつき・ひろゆき
昭和7年福岡県生まれ。生後まもなく朝鮮に渡り、22年に引き揚げる。27年早稲田大学露文科入学。32年中退後、PR誌編集者、作詞家、ルポライターなどを経て、41年『さらばモスクワ愚連隊』で小説現代新人賞、42年『蒼ざめた馬を見よ』で直木賞、51年『青春の門・筑豊篇』他で吉川英治文学賞を受賞。14年菊池寛賞を受賞。22年に刊行された『親鸞』で毎日出版文化賞を受賞。本年中国で発売された『中国語版・大河の一滴』が話題。日本芸術院会員。
東洋思想家
境野勝悟
さかいの・かつのり
昭和7年神奈川県生まれ。早稲田大学教育学部卒業後、私立栄光学園で18年間教鞭を執る。48年退職。こころの塾「道塾」開設。駒澤大学大学院禅学特殊研究博士課程修了。著書に『日本のこころの教育』『「源氏物語」に学ぶ人間学』(共に致知出版社)『芭蕉のことば100選』『超訳法華経』(共に三笠書房)など多数。