2019年7月号
特集
命は吾より作す
インタビュー③
  • 会社員、歌手小澤綾子

人生の幸せは
自分の心が決める

20歳の時に、運動能力が低下する難病の筋ジストロフィーと診断された小澤綾子さん。未来への希望が見いだせない苦悩の日々を乗り越え、いま難病と闘いながら会社員、歌手、講演活動など多方面で活躍し、多くの人々に夢と希望を与えている小澤さんに、一度きりの人生を自分らしく幸せに生きるヒントをお話しいただいた。

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10年前の自分に向けた応援歌

——小澤さんは運動機能が低下する難病の筋ジストロフィーと闘いながら、歌手や講演など様々な分野でご活躍です。昨年は初の詩集を出版され話題になりました。

もともと人生で一度は本を出版したいなと思っていたのですが、この詩集『10年前の君へ 筋ジストロフィーと生きる』は、20歳の時に難病であることが分かって、一番つらかった時期の自分自身に向けて書いたものなんです。
ですから、詩集には「10年後の君は、君が思っているほど悪いものじゃないよ」「どんな辛いことや悲しいことがあっても、10年後の君はきっと笑顔でいるから大丈夫だよ」「『いま』を大切に生きてほしい」というような励ましのメッセージをたくさん書きました。

——詩集は10年前の小澤さん自身への応援歌なのですね。

いまでも当時経験した辛かったこと、悲しかったことをよく思い出します。そうした目の前が真っ暗だった10年前の自分に向けたメッセージが、過去の私と同じように人生に悩んだり、悲しんだりしている人の心を元気にすることができればと願っています。
実際、「この本を読んでやされました」「一つひとつの言葉がすごく心に刺さりました」「いまこの時を生きる大切さを改めて強く思いました」など、病気の人、そうではない人、様々な方からたくさんの感想をいただいて、本当に詩集を出してよかったなと思います。

会社員、歌手

小澤綾子

おざわ・あやこ

昭和57年千葉県生まれ。20歳の時に難病・筋ジストロフィーと診断される。平成18年明治大学経営学部卒業後、日本IBM入社。働きながら、音楽活動と講演を通して「いま」を生きる大切さを全国に伝えている。東京コレクションモデル、ドリームプランプレゼンテーション世界大会感動大賞受賞。著書に詩集絵本『10年前の君へ 筋ジストロフィーと生きる』(百年書房)がある。