「にんげんだもの」の作品で広く知られ、没後約30年を迎えるいまなお多くの人々の心を励まし、癒し続けている書家・詩人 相田みつを。しかしその人生、作品の根底には、40年以上師事した武井哲應老師の教えや言葉、参禅体験があったことを知る人はそう多くはないだろう。相田作品を人生の糧にしてきた足利大学理事長の牛山 泉氏、哲應老師と相田みつをのご子息である曹洞宗高福寺住職の武井全補和尚、相田一人氏が会して語り合う、人間・相田みつをが貫いた生き方、ひらいた世界——。
武井哲應
たけい・てつおう
明治43年秋田県生まれ。9歳で近所の大慈寺に預けられ、15歳で得度。大本山總持寺、福井県発心寺に掛搭。駒澤大学に学ぶ。昭和16年栃木県足利の曹洞宗高福寺住職。足利工業大学(現・足利大学)理事、学監などを歴任。30年以上にわたり道元禅師の説かれた『正法眼蔵』を講義。62年78歳で遷化。
相田みつを美術館館長
相田一人
あいだ・かずひと
昭和30年栃木県生まれ。書家・詩人 相田みつをの長男。出版社勤務を経て、平成8年東京に相田みつを美術館を設立、館長に就任。相田みつをの作品集の編集、普及に携わる。著書に『相田みつを 肩書きのない人生』(文化出版局)などがある。