経営の神様・松下幸之助は「企業は人なり」との明言を残している。そこにどういうリーダーがいるかによって企業の盛衰は決まる、ということだろう。その範を示した2人のリーダーがいる。かつて倒産の危機に陥っていた医療機器・医薬品メーカーのテルモをV字回復させ、業界トップへと飛躍させた和地 孝氏。イトーヨーカ堂の中国進出をゼロから立ち上げ、セブン&アイ・フードシステムズの再建も成功に導いた塙 昭彦氏。2人はいかにして人を育て、組織を伸ばしていったのか。
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人づくり経営研究会社長
和地 孝
わち・たかし
昭和10年神奈川県生まれ。34年横浜国立大学経済学部卒業後、富士銀行(現・みずほ銀行)入行。54年ハーバード大学ビジネススクールに留学し、米国駐在。63年同行取締役。平成元年テルモに常務として出向し、専務、副社長を経て、7年社長。16年会長兼CEO。同年、人づくり経営研究会設立。20年旭日中綬章受章。23年名誉会長。著書に『人を大切にして人を動かす』(東洋経済新報社)など。
オフィスはなわ代表
塙 昭彦
はなわ・あきひこ
昭和17年東京都生まれ。39年青山学院大学経済学部卒業。42年イトーヨーカ堂入社。58年首都東ゾーンマネジャー。同社女子バレーボール部総監督として日本一に導く。営業本部長だった平成8年、中国室長を任じられ、中国での店舗開拓に尽力。19年帰任し、セブン&アイ・フードシステムズ社長。23年セブン&アイ・ホールディングス顧問。同年オフィスはなわ設立。著書に『リーダーへの伝言』(PHP研究所)など。