いじめ、不登校、引きこもり、拒食症、自殺……。商業主義や学歴競争の激しい現代社会を生きる子供たちは、かつてないほど複雑な心の葛藤を抱えている。半世紀にわたり、児童精神科医として子供たちに向き合い続けてきた渡辺久子先生に、心をいかに健やかに育むか、その要諦を伺った。
渡邊醫院副院長
渡辺久子
わたなべ・ひさこ
昭和23年東京都生まれ。渡邊醫院副院長。慶應義塾大学医学部卒業後、同小児科助手、同精神科助手、小児療育相談センター、横浜市民病院精神経科医長を経て、ロンドンのタビストック・クリニック臨床研究員として留学し、精神分析と乳幼児精神医学を学ぶ。平成5年より慶應義塾大学医学部小児科専任講師。