20代、30代の働く女性を中心に人気を誇り、日本最大のファッションビルとして知られるルミネ。昨今、デフレにより個人消費が停滞する中、同社を率いる新井良亮氏の経営手腕のもと、増収増益を続け、今期過去最高の業績を更新する見通しである。一方、かつて38億円の赤字に陥っていた無印良品ブランドを展開する良品計画。再生不可能と言われながらも、経営トップとして業務仕組み化をはじめとする数々の改革を断行し、社風を変え、V字回復へと導いたのが松井忠三氏だ。熱と誠で道を開いてきたお二人に学ぶ「経営の要諦」「リーダーの心得」とは――。
ルミネ社長
新井良亮
あらい・よしあき
昭和21年栃木県生まれ。40年足尾高校卒業後、日本国有鉄道入社。東京・八王子機関区で運転士として勤務しながら、中央大学法学部(夜間)卒業。新宿駅、渋谷駅で勤務した後、人事関係業務に約20年携わる。62年国鉄分割民営化に伴い、JR東日本入社。東京地域本社事業部長、常務として、エキナカなどの生活サービス事業を担当。平成21年副社長に就任。23年ルミネ社長兼務となり、翌年より専任。
良品計画前会長
松井忠三
まつい・ただみつ
昭和24年静岡県生まれ。48年東京教育大学(現・筑波大学)体育学部卒業後、西友ストアー(現・西友)入社。平成3年良品計画に出向し、翌年入社。総務人事部長、無印良品事業部長を経て、13年社長に就任。僅か2年でV字回復を成し遂げ、19年には過去最高売上高(当時)を達成した。20年会長に就任。27年より㈱松井オフィス社長。著書に『無印良品は、仕組みが9割』(角川書店)など多数。