創業73年、山形かみのやま温泉を代表する「日本の宿 古窯」。
こだわり抜いた地元の食材を生かした郷土料理、名峰・蔵王連峰を一望できる天空露天風呂、心を込めたおもてなしなどが評価され、「プロが選ぶ日本のホテル・旅館100選」にて、40年以上連続でトップ10を受賞している。
しかし、かつてはお金も水も電話もない、徒手空拳からの出発だったという。
幾多の苦労を乗り越え、不可能を可能に変えてきた創業者の佐藤幸子さんに、これまでの歩みと共に、古窯73年の歴史を貫いてきた精神について伺った。
かみのやま温泉 古窯 大女将
佐藤幸子
さとう・さちこ
昭和4年山形県生まれ。県立米沢高等女学校卒業。26年義母から300坪の温泉つきの土地とからっぽの金庫をもらい、山形県上山市に7部屋の旅館を開業。持ち前の前向きさで創意工夫を重ね、業容を拡大すると共に、名だたる著名人が通う旅館に育て上げる。「プロが選ぶ日本のホテル・旅館100選」では、現在に至るまで40年以上連続でトップ10を受賞。52年東京・銀座に和食店「日本料理 古窯」を開店(令和2年閉店)。平成4年のNHK連続テレビ小説「おんなは度胸」(橋田壽賀子・作)のモデル。著書に『からっぽの金庫から』(ミリオン書房)『縁』(書肆犀)など。