2016年7月号
特集
腹中書あり

腹中書あり

この記事は約2分でお読みいただけます

「腹中書あり」は安岡正篤師の座右銘「六中観」にある言葉である。

忙中閑あり──忙中に掴んだものこそ本物の閑である。
苦中楽あり──苦中に掴んだ楽こそ本当の楽である。
死中活あり──身を棄ててこそ浮ぶ瀬もあれ。
壺中天あり──どんな境涯でも自分だけの内面世界は作れる。
どんな壺中の天を持つか。
意中人あり──心中に尊敬する人、相ゆるす人物を持つ。
腹中書あり──身心を養い、経綸に役立つ学問をする。

師は平生ひそかにこの6つを反芻し、いかなる場合にも決して絶望したり、仕事に負けたり、屈託したり、精神的空虚に陥ったりしないように心掛けている、と言っている(『安岡正篤一日一言』)。

腹中に書を持つ生き方をした1人の女性のことを、円覚寺の横田南嶺管長が会報『円覚』に書かれている。