「是処即是道場」は道元が愛した言葉である。
弊社の一日一言シリーズに『道元一日一言』(令和2年刊)がある。以前より道元の一日一言を出版したいと思っていたものの人を得ず、ようやく道元研究一筋に打ち込まれてきた大谷哲夫氏に出会い、出版が叶った本である。その中に大谷氏が魂を込めて書かれた「道元 小伝」が収録されているが、それを元に道元の人生を辿ってみたい。
道元は、鎌倉幕府が成立した8年後の正治2(1200)年正月二日、内大臣久我通親を父に、前摂政関白藤原基房の娘伊子を母として京都松殿の別邸で誕生した。
3歳の時、父通親が53歳で死し(その次男久我通具が育父となる)、8歳の年の冬、母を喪った。
名門の家に生まれながら、父と母を幼少期に亡くしたことが転機になったのだろう。14歳の時に、比叡山に登り、剃髪、出家した。