2026年10月号
特集
運をつかむ
インタビュー③
  • ヒューマレッジ創業者木村吉宏

人間教育で
勉強も人生も
大逆転が起きる

1986年、大学を出たばかりの木村吉宏氏が自宅の2階で始めた学習塾が40年を経た現在、37教室、生徒数は1万人を数えるまでに成長を遂げている。若き日の逆境を乗り越えて運をつかんだ木村氏だが、あらゆる学力の子供たちの成績を伸ばし続けた背景には、独自の人間教育があった。ご自身の歩みを振り返りつつ、その教育の一端をお話しいただいた。

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    ヒューマレッジ創業者

    木村吉宏

    きむら・よしひろ

    昭和36年大阪府生まれ。関西学院大学を卒業した61年学習塾・木村塾を創立。以来、成績の良し悪しに拘らず、あらゆるレベルの生徒たちの成績を伸ばし続け、現在、大阪府と兵庫県に37教室、生徒数は約1万人に及ぶ。令和5年経営の第一線から退き相談役に。全国学習塾協会常任理事、日本青少年育成協会副会長を務める傍ら、現在、子供たちが主人公の映画『幸せゾンビ』(原作・脚本・監督 木村吉宏)の製作進行中である。

    心が変われば成績が上がる

    ――木村さんが創設されたヒューマレッジ(木村塾)が、今年(2026年)創立40周年を迎えたと伺いました。

    はい。私が大学卒業と同時に兵庫県あまがさき市の自宅の2階で一人で始めた小さな学習塾が、今では大阪府、兵庫県に37校舎、生徒数一万人の規模になりました。
    生徒数2万人、3万人という大手の学習塾は全国に幾つかありますが、当塾の特徴の一つは1校舎の平均生徒数が250人を超えていることなんです。一か所にそれだけ集まる学習塾は珍しく、それだけ地域の皆さんから信頼を得られているのがありがたいですね。
    もちろん、これは私が2023年に社長を退いた後も、新社長以下、優秀な社員たちが一丸となって頑張ってくれているおかげです。
    二つ目の特徴は、勉強が苦手な子、富裕層ではない一般のご家庭でも通える塾という開塾以来のコンセプトです。以来、今現在も、勉強の苦手だった多くの生徒たちがぐんぐんと成績を伸ばし、大逆転合格を果たしています。

    ――学生時代から塾講師のアルバイトをされていたそうですね。

    はい。私は大学時代、映画制作のサークルに入っていて、8ミリのフィルム代を稼ぐために、有名進学塾の講師をいくつか掛け持ちでやっていました。そこで驚いたのは、月謝の高さとそれを支払えるだけの親の財力と職業(医師、弁護士、大手企業勤務等)でした。そして、その子弟たちは高いIQと財力のもと、この世に生をけ、スクスクと育ち、有名校を経て社会の要職に就いていく。
    「これが世の中の縮図か」と何かやるせない気持ちになり、それとは真逆の塾をつくろうと木村塾を開塾しました。勉強が苦手でも、親がお金持ちでなくても、誰もが入塾できて生き生きと勉強ができる塾を、と。
    もう一つ、当塾の大きな特徴は人間教育です。これを言葉として掲げるだけでなく、実際に日々の実践に取り入れています。そのキーワードは「心が変われば成績が上がる」。もちろん付け焼き刃でやっても成績は上がります。しかし、もっと本格的に上げたいと思ったら、心の根っこから変えないといけない。そのことは入塾説明会で繰り返しお伝えしています。

    ――心を変えるとは、どういうこですか。

    当塾では「人生の勝利の方程式七カ条」を掲げて、それを指針とした教育を一貫しています。

    ――人生勝利の方程式ですか。

    次の七カ条です。
    第一条は、いつも明るく元気いっぱいの挨拶を自分からすること。
    第二条は、「しんどい」「ムリ」「ダルい」などの〝マイナス発言〟は、教室ではもちろん、自分一人のときも絶対に口に出さないこと。
    第三条は、すべてのことに「お願いします」の気持ちで取り組むこと。
    第四条は、自分の能力・可能性に自分で〝限界ライン〟を引かないこと。自分は必ず成功すると心の底から思うこと。
    第五条は、「普通では無理」と思うような高い目標を期限付きで具体的に掲げ、地道な努力を決してやめずに続けること。
    第六条は、何かしてもらったときに「ありがとう」と言うことはもちろん、全てのことに対して常に感謝の心を持つこと。
    第七条は、他人を喜ばせる、幸せにすることが自分の幸せだと考えること。
    これら七カ条は「自主自立」「克己」「感謝」「」という言葉に要約されます。私は教育はこの言葉に言い尽くされると思っていますし、これらを身につけた子は成績が飛躍的に伸びます。