仕事も人生も、自分が投じたものしか返ってこない。リオオリンピックのシンクロ種目で日本に復活のメダルをもたらした井村雅代さんの活躍は、この真理を語って余りある。過去に選手を率いた9度のオリンピックで、すべてメダル獲得に成功してきた井村さん。その指導法は、巷に流布する〝鬼コーチ〟という言葉だけでは表しきれない。井村さんはいかに自身の仕事と人生に向き合ってきたのか。2017年9月9日、「『致知』愛読者の集い全国大会in京都」における白熱のご講演をここに紹介する。
シンクロナイズドスイミング日本代表ヘッドコーチ
井村雅代
いむら・まさよ
大阪府生まれ。中学時代よりシンクロナイズドスイミングを始める。選手時代は日本選手権で2度優勝し、ミュンヘン五輪の公開演技に出場。天理大学卒業後、大阪市内で教諭を務める傍ら、シンクロの指導にも従事。昭和53年日本代表コーチに就任。平成18年より中国、イギリスの指導を経て、26年日本代表ヘッドコーチに復帰。リオ五輪ではデュエット、団体とも銅メダルを獲得。五輪でのメダル獲得数は通算13個となる。著書に『あなたが変わるまで、わたしはあきらめない』(光文社知恵の森文庫)『井村雅代コーチの結果を出す力』(PHP研究所)など。