東京都中野区にある児童養護施設「愛児の家」は72年前、石綿さたよさんという無名の主婦によって創設された。石綿さんは上野駅にいた孤児たちに声を掛け、次々に自宅に引き取っては育て上げた。石綿さんと長年、行動をともにしてきた三女の裕さんに、困難に立ち向かったこれまでの歩みを振り返っていただいた。
児童養護施設「愛児の家」主任保育士
石綿裕
いしわた・ひろ
昭和7年東京生まれ。終戦直後から母さたよさんとともに孤児を育てる。児童養護施設「愛児の家」設立後は保育士として勤務。現在もなお子供たちと寝食をともにしている。