豪快な構図の浮世絵で知られる葛飾北斎。自然の生気を独自の作風で描いた東山魁夷。全く異なる時代を生きた2人だが、40歳で画境を拓き、90歳で亡くなる直前まで創作に勤しみ生涯現役を貫くなど驚くほどの共通点がある。不思議な縁から北斎と魁夷の個人美術館長を務めた橋本光明氏が語る2人の人生からは、その知られざる新たな一面が浮き彫りになる。
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東山魁夷記念一般財団法人代表理事
橋本光明
はしもと・みつあき
昭和20年東京都生まれ。千葉大学教育学部卒業後、同大学教育学部附属小学校教諭、同大学教育学部講師併任、筑波大学附属小学校教諭、信州大学教授、同大学教育学部附属長野中学校校長、副学部長などを歴任。現在名誉教授。長野県立(当時、長野県信濃)美術館・東山魁夷館館長、すみだ北斎美術館館長も務めた。令和4年度文化庁長官表彰受賞。
葛飾北斎
かつしか・ほくさい
宝暦10(1760)年~嘉永2(1849)年。江戸中・後期の江戸の浮世絵師。北斎の他、戴斗・為一・画狂老人卍など多くの号を持つ。初め勝川春章に学んだが、狩野派・土佐派・琳派・洋風画など和漢洋の画法を習得。読本挿絵や絵本、風景画などで独自の作風を花開かせる。代表作に『北斎漫画』や『冨嶽三十六景』など。(『葛飾北斎伝』より)
東山魁夷
ひがしやま・かいい
明治41(1908)~平成11(1999)年。神奈川県生まれ。東京美術学校(現・東京藝術大学)を卒業後、ドイツ留学を経て、昭和22年日展に出品した『残照』が特選となり画壇に認められた。代表作に『道』や『緑響く』、唐招提寺御影堂障壁画など。日展理事長。文化勲章受章者。©時事