致知電子版の印刷物は配布しないようにお願い致します。利用規約でも配布は禁じられています。
活字離れが進む中で、子供たちに本を読む楽しさや豊かさを知ってもらい、無限の創造力や好奇心を育んでほしい――。日本を代表する建築家・安藤忠雄氏のこの思いが結晶して生まれたのが「こども本の森」プロジェクトである。世界で初めてiPS細胞の作製に成功し、ノーベル生理学・医学賞を受賞した山中伸弥氏も、このプロジェクトに賛同し、応援している一人だ。親交が深く、共に無類の読書家として知られるお二方が相まみえ、読書談義に花を咲かせた。読書こそが人間の根を養い、個人の人生、ひいては国の未来を開く鍵になることを私たちは銘記し、縁ある人々に読書習慣の種蒔きをしていかなければならない。
建築家
安藤忠雄
あんどう・ただお
昭和16年大阪府生まれ。独学で建築を学び、44年安藤忠雄建築研究所を設立。54年「住吉の長屋」で日本建築学会賞、平成5年日本芸術院賞、7年プリツカー賞、15年文化功労者、17年国際建築家連合ゴールドメダル、22年文化勲章、25年フランス芸術文化勲章、27年イタリア共和国功労勲章、28年イサム・ノグチ賞など受賞多数。イェール、コロンビア、ハーバード各大学の客員教授を歴任。9年から東京大学教授。現在、名誉教授。令和2年自身が発案し設計を手掛けた「こども本の森 中之島」開館。以降、神戸・遠野(岩手県)・熊本に広がる。著書に『仕事をつくる―私の履歴書 改訂新版』(日本経済新聞出版社)など多数。現在、「安藤忠雄展︱青春」をグラングリーン大阪にて7月21日まで開催中。
京都大学iPS細胞研究所名誉所長・教授
山中伸弥
やまなか・しんや
昭和37年大阪府生まれ。62年神戸大学医学部卒業後、整形外科医を経て研究の道へ。平成5年大阪市立大学大学院医学研究科修了。アメリカのグラッドストーン研究所に留学後、大阪市立大学医学部助手、奈良先端科学技術大学院大学遺伝子教育研究センター助教授及び教授、京都大学再生医科学研究所教授などを歴任。18年にマウスの皮膚細胞から、19年にヒトの皮膚細胞からそれぞれ世界で初めてiPS細胞の作製を発表。22年京都大学iPS細胞研究所所長。24年ノーベル生理学・医学賞受賞。令和2年(公財)京都大学iPS細胞研究財団理事長。4年京都大学iPS細胞研究所名誉所長。著書に『山中教授、同級生の小児脳科学者と子育てを語る』(成田奈緒子氏との共著/講談社)など多数。