「ハサミ一つで世界を変えた男」と称されたヴィダル・サスーンの下で研鑽を積み、喜寿を迎えるいまなおサロンに立つ川島文夫氏。フランス料理の巨匠・三國清三氏もまた、数々の師との邂逅を糧に、独創的な料理で日本のフランス料理界を牽引し続けている。美容師と料理人、それぞれの道を極めてきたお二人は、いかなる出逢いによって自己を磨き高めてきたのか。35年以上にわたり親交を深める両氏に、出逢いと挑戦の足跡、仕事・人生の流儀について語り合っていただいた。
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PEEK-A-BOO代表
川島文夫
かわしま・ふみお
昭和23年東京都生まれ。高山美容専門学校卒業。カナダの美容室勤務を経て、46年ロンドンの「ヴィダル・サスーン」に参加。48年東洋人初となるアーティスティック・ディレクターに就任。美容史に残るヘアスタイル「BOX BOB」を発表。52年「PEEK-A-BOO 川島文夫美容室」を表参道に開店。現在もサロン勤務を行いながら、日本全国・世界各地を行脚して技術指導に励む。著書に『プロフェッショナルの極意』(髪書房)がある。
ソシエテミクニ代表
三國清三
みくに・きよみ
昭和29年北海道生まれ。15歳で料理人を志し、札幌グランドホテル、帝国ホテルにて修業後、49年駐スイス日本大使館料理長に就任。ジラルデ、トロワグロ、シャペルなど世界的な巨匠の下で修業を重ね、60年東京・四ツ谷に「オテル・ドゥ・ミクニ」開店。平成19年厚生労働省より卓越技能賞「現代の名工」受賞。27年仏レジオン・ドヌール勲章シュヴァリエ受章。令和4年「オテル・ドゥ・ミクニ」閉店。7年黄綬褒章受章。9月、四ツ谷に「三國」開業予定。著書に『三流シェフ』(幻冬舎)など多数。