毎年選手が入れ替わる中で、常に現状の戦力から出発し、選手を育てチームを日本一へと導く。その歩みはまさしく看脚下といえるだろう。片やラグビー全国大学選手権で前人未到の9連覇を果たした帝京大学ラグビー部。片や史上初となる2度目の甲子園春夏連覇を成し遂げた大阪桐蔭高等学校硬式野球部。全国屈指の強豪校が鎬を削る世界において、ひと際輝かしい実績を積み重ねてきた岩出雅之氏と西谷浩一氏が語り合う指導論の極意とは――。
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帝京大学ラグビー部監督
岩出雅之
いわで・まさゆき
昭和33年和歌山県生まれ。和歌山県立新宮高等学校を経て、55年日本体育大学体育学部卒業。滋賀県の教育委員会、中学校、高校勤務を経て、平成元年滋賀県立八幡工業高等学校へ赴任。8年帝京大学ラグビー部監督に就任。22年創部40周年にして初の全国大学選手権優勝。以来、同選手権では優勝を続け、史上初の9連覇を果たした(30年まで)。著書に『常勝集団のプリンシプル』(日経BP社)など。
大阪桐蔭高等学校硬式野球部監督
西谷浩一
にしたに・こういち
昭和44年兵庫県生まれ。報徳学園高等学校、関西大学で野球をプレー。平成5年同大学経済学部卒業後、大阪桐蔭高等学校に赴任し、硬式野球部のコーチとなる。10年11月から監督に就任。13年にコーチに戻ったが、14年秋に監督復帰。これまで甲子園優勝7回(春3、夏4)を経験し、監督として歴代最多。中村剛也、中田 翔、藤浪晋太郎、根尾 昂、藤原恭大ら、幾多の逸材をプロに輩出している。