東京2020オリンピックにて、4位入賞を果たしたアーティスティックスイミングと金メダルを獲得した女子ソフトボール。それぞれの指導を務めた井村雅代さんと宇津木麗華さんは、常に世界の頂上を目指してチームを強化し、勝利を掴んできた。今回、前例のないコロナ禍でのオリンピックとなったが、いかに選手を鼓舞し、チームを導いてきたのか。お二人の指導に懸ける熱い思いを交えて伺った。
井村アーティスティックスイミングクラブ代表理事
井村雅代
いむら・まさよ
昭和25年大阪府生まれ。中学時代よりシンクロナイズドスイミング(現・アーティスティックスイミング)を始める。選手時代は日本選手権で2度優勝し、ミュンヘン五輪の公開演技に出場。天理大学卒業後、大阪市内で教諭を務める傍ら、シンクロの指導にも従事。53年日本代表コーチに就任。平成18年より中国、イギリスの指導を経て、26年日本代表ヘッドコーチに復帰。28年リオ五輪ではデュエット、団体とも銅メダルを獲得。令和3年の東京五輪では4位入賞。五輪でのメダル獲得数は通算16個。著書に『井村雅代コーチの結果を出す力』(PHP研究所)など。
恩師である宇津木妙子さん(右)と選手時代の宇津木麗華さん(左)。2000年のシドニーオリンピックにて銀メダルを獲得
女子ソフトボール日本代表監督
宇津木麗華
うつぎ・れいか
中国名・任彦麗(ニン・エンリ)。昭和38年中国北京生まれ。女子ソフトボール中国代表チームでキャプテンを務めるも、18歳から宇津木妙子氏と交流を続けてきたことから、63年25歳の時に来日し、日立高崎入団。平成6年日本に帰化、宇津木麗華に改名。8年アトランタ五輪代表チーム入りするが、帰化問題から出場を取り消される。12年シドニー五輪では主砲として活躍し、銀メダル獲得に貢献。14年から監督を兼任。20年の北京五輪で悲願の金メダルを獲得。24年、26年の世界選手権で連覇。令和3年の東京五輪で金メダル獲得。