日本語には世界を平和に導く力がある——。様々な実例を挙げてそう語るのが、長年カナダで日本語教師を務めた言語学者・金谷武洋氏である。日本語と英語の違いを明らかにしながら、日本語の持つ美質を解説いただいたが、これはすなわち、日本の未来を切りひらくヒントとなるだろう。
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言語学者、モントリオール大学東アジア研究所日本語科元総長
金谷武洋
かなや・たけひろ
昭和26年北海道生まれ。函館ラ・サール高校、東京大学教養学部卒業。カナダのラヴァル大学で修士号(言語学)取得。モントリオール大学で博士号取得。カナダ放送協会国際局などを経て、平成24年までモントリオール大学東アジア研究所日本語科科長を務める。25年にわたる日本語教師の経験から、日本語の学校文法がいかに誤謬に満ちているかを訴え、新しい日本語文法の構築を提唱している。著書に『日本語が世界を平和にするこれだけの理由』(飛鳥新社)『日本語に主語はいらない』(講談社)など多数。