陸上自衛隊、海上自衛隊にそれぞれ〝特殊部隊〟を創設した荒谷 卓氏と伊藤祐靖氏。死と隣り合わせの極限状態の中で任務を遂行する特殊部隊を1からつくり上げたお2人に、いかなる環境にも屈せず、危機を突破していく最強の人材、強靭な組織のつくり方、そして守るべき日本への思いを語り合っていただいた。
熊野飛鳥むすびの里代表
荒谷 卓
あらや・たかし
昭和34年秋田県生まれ。東京理科大学卒業後、57年陸上自衛隊に入隊。陸上幕僚幹部防衛部、防衛庁防衛政策局戦略研究室勤務の後、米国特殊作戦学校への留学を経て、帰国後に特殊作戦群初代群長となる。研究本部研究室長を最後に平成20年退官。一等陸佐。21年明治神宮武道場「至誠館」館長に就任。30年国際共生創成協会「熊野飛鳥むすびの里」創設。農、学、武を通じて日本文化社会の国内外への普及活動に取り組んでいる。著書に『戦う者たちへ』『サムライ精神を復活せよ!』『特殊部隊vs.精鋭部隊』(いずれも並木書房)などがある。
特殊戦指導者
伊藤祐靖
いとう・すけやす
昭和39年東京都生まれ。日本体育大学卒業後、海上自衛隊に入隊。「みょうこう」航海長在任中の平成11年3月、能登半島沖不審船事件を体験。それを契機に、自衛隊初の特殊部隊「特別警備隊」の創設に関わる。19年2等海佐で退官。各国の警察、軍隊への指導で世界を巡り、国内では、警備会社等のアドバイザーを務める傍ら私塾を開き、現役自衛官や経営者らに自らの知識、技術、経験を伝えている。著書に『国のために死ねるか 自衛隊「特殊部隊」創設者の思想と行動』(文春新書)『自衛隊失格―私が特殊部隊を去った理由―』『邦人奪還―自衛隊特殊部隊が動くとき―』(共に新潮社)などがある。