長引くコロナ禍が社会の活力を多方面で奪っている。しかし、この逆境下で光を放ち続ける組織もある。カジュアル衣料のユニクロを擁するファーストリテイリングと、サッカーの地方リーグからJ3昇格を果たしたFC今治はその筆頭と言えよう。各々のリーダーである柳井正氏と岡田武史氏は、この試練とどう向き合い、いかにして活路を見出しているのか。各々の挑戦を交えて語り合っていただいた。
J3昇格を決め、歓喜に沸くFC今治の選手たち(2019年11月10日)
FC今治オーナー
岡田武史
おかだ・たけし
昭和31年大阪府生まれ。55年早稲田大学政治経済学部卒業後、古河電工入社。平成2年現役引退。9年監督として日本初のFIFAW杯本選出場を果たす。10年コンサドーレ札幌監督、15年横浜F・マリノス監督に就任。19年日本サッカー協会特任理事、同年9年ぶりに日本代表監督に就任。22年W杯南アフリカ大会でグループリーグを勝ち抜きベスト16に導く。26年FC今治オーナーに就任。著書に『岡田メソッド』(英治出版)、共著に『勝負哲学』(サンマーク出版)などがある。
ファーストリテイリング会長兼社長
柳井 正
やない・ただし
昭和24年山口県生まれ。46年早稲田大学政治政済学部卒業後、ジャスコ入社。47年同社退社後、父親の経営する小郡商事に入社。59年カジュアルウェアの小売店「ユニクロ」第1号店を出店。同年社長就任。平成3年ファーストリテイリングに社名変更。11年東証1部上場。14年代表取締役会長兼最高経営責任者に就任。いったん社長を退くも17年再び社長復帰。28年には売上高でカジュアル専門店世界第3位に。著書に『一勝九敗』『成功は一日で捨て去れ』(共に新潮社)『柳井正わがドラッカー流経営論』(日本放送出版協会)などがある。