販売台数で5年連続世界一に輝くトヨタ自動車。前期売上高48兆円、経常利益6兆円を記録し、言わずと知れた日本のトップ企業である。そのトヨタのものづくりを60年にわたり支えてきたのが河合満氏だ。中学卒業後にトヨタ技能者養成所に入り、18歳で入社して以来今日まで現場一筋に歩んできた。同社初となる技能系出身で部長職に就き、技監・専務・副社長を歴任し、いまも朝6時出社で後進の育成に邁進しているという。現場の叩き上げとして、いかに創意くふうを積み重ね、改善魂を培ってきたのか。「拓く進む」の典型ともいえる河合氏の生き方に学ぶ。
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トヨタ自動車エグゼクティブフェロー
河合 満
かわい・みつる
昭和23年愛知県生まれ。38年中学校卒業後、トヨタ技能者養成所(現・トヨタ工業学園)入学。41年トヨタ自動車入社。平成4年本社工場鍛造部工長、17年同部長。25年技監。27年同社技能系初の専務役員に就任。29年副社長。令和3年1月よりExecutive Fellow(おやじ)。