弊誌も深いご縁を賜ってきた茶道裏千家第十五代・前家元の千玄室氏が、去る8月14日に102歳でお亡くなりになった。先の大戦で九死に一生を得て、戦後は茶道の普及に邁進。日本の心を世界へ発信し、真の平和実現に向け、与えられた命を捧げ尽くしてきたその功績は計り知れない。本年1月18日に開催された弊社新春特別講演会にご登壇いただいた千氏は、1時間立ったままで熱弁を振るい、100歳を越えた年齢を感じさせない若々しさで会場に感動の渦を巻き起こしたが、図らずもそれが壇上に見る最後の雄姿となった。『致知』読者へ、そして日本人へ、千氏が遺した最後のメッセージをここに紹介する。
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茶道裏千家第十五代・前家元
千 玄室
せん・げんしつ
大正12年京都府生まれ。昭和21年同志社大学法学部卒業後、米・ハワイ大学で修学。39年千利休居士15代家元を継承。平成14年長男に家元を譲座し、千玄室大宗匠を名乗る。文学博士、哲学博士。外務省参与、ユネスコ親善大使、日本・国連親善大使、公益財団法人日本国際連合協会会長等を歴任。文化勲章、レジオン・ドヌール勲章コマンドール(フランス)、大功労十字章(ドイツ)、独立勲章第一級(UAE)等を受章。令和7年逝去。