分身ロボット「オリヒメ」や意思伝達装置「オリヒメアイ」を開発し、そのさらなる普及と進化に情熱を傾けているオリィ研究所代表の吉藤健太朗氏、32歳。脊髄性筋萎縮症(SMA)という重度障碍を持って生まれながら、僅かに動く1本の指で起業し、「寝たきり社長」として多方面で活躍する仙拓社長の佐藤仙務氏、29歳。それぞれの立場で時代をリードする2人の若きリーダーに、人生の歩みを振り返りながら、苦難を乗り越え、新しい時代を切り拓くヒントを語り合っていただいた。
オリィ研究所代表
吉藤健太朗
よしふじ・けんたろう
昭和62年奈良県生まれ。県立王寺工業高等学校卒業後、早稲田大学創造理工学部に進学。中学生の時、虫型ロボットコンテスト関西大会で優勝。高校時代は車椅子の開発で文部科学大臣賞、世界大会でエンジニアリング部門3位を獲得。自身が開発した分身ロボット「オリヒメ」は若者から高齢者まで幅広く活用されている。著書に『「孤独」は消せる。』(サンマーク出版)『サイボーグ時代』(きずな出版)などがある。
佐藤さんが社長を務める仙拓が代理店契約し、東海市の老人ホームに導入されたオリヒメ
仙拓社長
佐藤仙務
さとう・ひさむ
平成3年愛知県生まれ。4年SMA(脊髄性筋萎縮症)と診断される。22年愛知県立港特別支援学校商業科卒業。当時、障碍者の就職が困難であったことに挫折を感じ、ほぼ寝たきりでありながら、23年にホームページや名刺の制作を請け負う合同会社「仙拓」(25年に株式会社に変更)を立ち上げ、社長に就任。著書に『寝たきりだけど社長やってます』(彩図社)『寝たきり社長佐藤仙務の挑戦』(塩田芳享著、致知出版社)などがある。公式YouTube「ひさむちゃん寝る」で情報発信中。