緊迫する国際情勢、混迷深まる国内事情。いまの日本を巡る状況は、内憂外患の四文字に凝縮されるといってよいだろう。松下政経塾と青年塾を通じ、日本の将来を担う青年の教育一筋に携わってきた上甲晃氏と、東洋思想の知見をもとに、国のあり方や人の生き方について提言を続ける田口佳史氏は、この現状をどう見ているのか。2人が指標としてきた先哲が示唆する時代を拓く条件とは──
志ネットワーク「青年塾」代表
上甲 晃
じょうこう・あきら
昭和16年大阪市生まれ。40年京都大学教育学部卒業と同時に、松下電器産業(現・パナソニック)入社。56年松下政経塾に出向。理事・塾頭、常務理事・副塾長を歴任。平成8年松下電器産業を退職、志ネットワーク社を設立。翌年青年塾を創設。著書に『志のみ持参』『松下幸之助に学んだ人生で大事なこと』『人生の合い言葉』など。近著に『松下幸之助の教訓』(いずれも致知出版社)。
東洋思想研究家
田口佳史
たぐち・よしふみ
昭和17年東京都生まれ。新進の記録映画監督としてバンコク市郊外で撮影中、水牛2頭に襲われ瀕死の重傷を負う。生死の狭間で『老子』と運命的に出合い、「天命」を確信し、東洋思想研究に転身。「東洋思想」を基盤とする経営思想体系「タオ・マネジメント」を構築・実践し、1万人超の企業経営者や政治家らを育て上げてきた。配信中の「ニュースレター」は英語・中国語に翻訳され、海外でも注目を集めている。主な著書に『「大学」に学ぶ人間学』『「書経」講義録』(いずれも致知出版社)他多数。