2,000年以上の時を越えて読み継がれてきた東洋古典『論語』。孔子とその高弟たちの言行録には、人間いかに生くべきかという原理原則が凝縮されている。中国思想研究の第一人者である加地伸行氏と古典の教えを経営に生かしてこられた數土文夫氏に、「孔子の歩いた道と遺した言葉」について語り合っていただいた。人間通・孔子がその生涯を通して奏でた詩とはいかなるものか。孔子に学ぶ人間学、ここにあり——。
大阪大学名誉教授
加地伸行
かじ・のぶゆき
昭和11年大阪府生まれ。京都大学文学部卒業。専門は中国哲学史。大阪大学名誉教授、立命館大学フェロー。平成20年第24回正論大賞受賞。著書多数。『論語』の関連書としては『論語全訳注増補版』『論語のこころ』(共に講談社学術文庫)『論語』『孔子』(共に角川ソフィア文庫)『論語入門 心の安らぎに』(幻冬舎)など。
JFEホールディングス名誉顧問
數土文夫
すど・ふみお
昭和16年富山県生まれ。39年北海道大学工学部卒業後、川崎製鉄入社。常務、副社長などを経て、平成13年社長に就任。15年経営統合後の鉄鋼事業会社JFEスチールの初代社長となる。17年JFEホールディングス社長に就任。経済同友会副代表幹事、日本放送協会経営委員会委員長、東京電力会長を歴任し、令和元年より現職。