2020年という新しい年が始まろうとしている。大国同士の確執や半島に漂う不穏な空気など、日本を取り巻く世界情勢は予断を許さないが、私たちにこれを受けて立つ覚悟はどこまでできているだろうか。内外の諸事情に詳しい加瀬英明氏と、本誌でもお馴染みの憂国の士・數土文夫氏に、日本の憂うべき実情を克服し、新しい年を輝かしい未来への第一歩とするために成すべきことを語り合っていただいた。
外交評論家
加瀬英明
かせ・ひであき
昭和11年東京生まれ。慶應義塾大学、エール大学、コロンビア大学に学ぶ。『ブリタニカ国際大百科事典』初代編集長。52年より福田、中曽根内閣で首相特別顧問を務めた他、日本ペンクラブ理事、松下政経塾相談役などを歴任。公益社団法人隊友会理事、東京国際大学特命教授。近著に『いま誇るべき日本人の精神』(ベストセラーズ)『昭和天皇の苦悩 終戦の決断』(勉誠出版)など。
JFEホールディングス名誉顧問
數土文夫
すど・ふみお
昭和16年富山県生まれ。39年北海道大学工学部冶金工学科を卒業後、川崎製鉄に入社。常務、副社長などを経て、平成13年社長に就任。15年経営統合後の鉄鋼事業会社JFEスチールの初代社長となる。17年JFEホールディングス社長に就任。22年相談役。経済同友会副代表幹事や日本放送協会経営委員会委員長、東京電力会長などを歴任し、令和元年よりJFEホールディングス名誉顧問。