8人もの児童の命が奪われた大阪教育大学附属池田小児童殺傷事件から24年が経過した。小学2年生だった愛娘の優希さんを失った母・本郷由美子さんはいま、東京下町を拠点に、人生の苦しみや悲しみを抱える人たちに寄り添う活動を続けている。人は悲しみに直面した時、それにどう向き合っていけばよいのか。悲しみと共に生きたこれまでの人生を踏まえながら、本誌でお馴染みの文学博士・鈴木秀子先生と語り合っていただいた。
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小学1年生の時の優希さん
文学博士
鈴木秀子
すずき・ひでこ
東京大学大学院人文科学研究科博士課程修了。聖心女子大学教授を経て、現在国際文学療法学会会長、聖心会会員。日本にエニアグラムを紹介。本誌連載をもとにした『名作が教える幸せの見つけ方』(致知出版社)など著書多数。新刊に共著『「思考は現実化する」を量子力学で解く』(ビジネス社)。
グリーフパートナー歩み代表
本郷由美子
ほんごう・ゆみこ
群馬県生まれ。平成13年大阪教育大学附属池田小児童殺傷事件で愛娘を失う。17年精神対話士の資格を取得。その後上智大学グリーフケア研究所で専門スピリチュアルケア師の認定を受け、同研究所で非常勤講師を務める。現在は、事件や事故の被害者、東日本大震災の被災者や身近な人を亡くした悲しみに寄り添う活動のほか講演活動に邁進。著書に『虹とひまわりの娘』(講談社)『グリーフケアとアウトリーチ かなしみを受け入れて生きて行くということ』(方丈社)など。