ボクシング世界4階級を制覇し、史上2人目となる2階級4団体統一王者の井上尚弥選手をはじめ、これまで5人の世界チャンピオンを輩出してきた大橋ボクシングジム会長・大橋秀行氏、60歳。その5人目の世界チャンピオンにして、キックボクシングとボクシングの双方で初めて頂点に立ったWBO世界バンタム級王者・武居由樹氏、28歳。家庭環境に恵まれず辛苦の幼少期を経て、恩師との邂逅を果たし、人生のどん底から世界一に至る道のりは、まさに挑戦の日々だった。いかなる鍛錬によって自己を磨いてきたのか。勝利を掴む者の条件とは何か。
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WBO世界バンタム級王者
武居由樹
たけい・よしき
平成8年東京都足立区生まれ。10歳でキックボクシングを始め、足立東高校時代はボクシング部でも活躍。26年11月にKrushでキックボクシングデビューし、29年4月に第2代K-1 WORLD GPスーパーバンタム級王座を獲得。23勝(16KO)2敗の戦績を残し、令和2年12月に王座返上とボクシング転向を発表。3年3月のデビュー戦を1回TKO勝利で飾る。6年5月6日、WBO世界バンタム級王者ジェーソン・モロニーに3-0で判定勝ちし、日本ボクシングコミッション公認の日本ジム所属100人目の世界王者となる。ここまでの戦績は11戦11勝(9KO)。
大橋ボクシングジム会長
大橋秀行
おおはし・ひでゆき
昭和40年神奈川県生まれ。小学生の時、兄からボクシングの手ほどきを受け、中学生からジムに通う。高校時代にアマチュアの全日本タイトルを獲得。大学時代、ロサンゼルス五輪の代表選考試合に決勝で敗れ、プロに転向。アマ通算44勝(27KO)3敗。60年プロデビュー。その後世界タイトルに2度挑戦するも敗退。平成2年3度目の挑戦で世界チャンピオンとなり、日本人の世界挑戦連続失敗を21で止めた。6年引退。プロ戦績は24戦19勝(12KO)5敗。同年大橋ボクシングジムを開設。これまで輩出した世界チャンピオンは最多タイとなる5人に及ぶ。