日本の国土面積の約一割ながら、日本の人口とGDPの約6割を抱える地域を結ぶ東海道新幹線は、まさに日本の大動脈輸送に他ならない。その東海道新幹線を中心に鉄道事業を展開するJR東海を、創業時より牽引してきたのが名誉会長・葛西敬之氏である。かつて経営危機に陥った国鉄の分割民営化を現場で推進し、多額の債務を背負ってスタートしたJR東海を今日へと繁栄発展させてきた。その道なき道を切りひらいてきた挑戦の歩みと、リーダーが持つべき姿勢とはいかなるものか。
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JR東海名誉会長
葛󠄀西敬之
かさい・よしゆき
昭和15年生まれ。38年東京大学法学部卒業後、日本国有鉄道入社。44年米国ウィスコンシン大学経済学修士号取得。職員局次長などを歴任し、国鉄分割民営化を推進。62年JR東海発足と同時に取締役総合企画本部長。平成7年社長。16年会長。26年より名誉会長。著書に『飛躍への挑戦』(ワック)など。