いま我が国は様々な内憂外患を抱えている。かつて吉田松陰は「天下の大患は其の大患たる所以を知らざるにあり」と言った。私たちが直面している問題の本質とは何か。どこにその根本原因があり、いかなる手を打っていけばよいか。保守論壇の重鎮である藤原正彦氏と櫻井よしこ氏に、豊かで徳の溢れる国づくりへの道筋を大所高所から論じていただいた。
お茶の水女子大学名誉教授
藤原正彦
ふじわら・まさひこ
昭和18年旧満州新京生まれ。東京大学理学部数学科大学院修士課程修了。理学博士。コロラド大学助教授などを経て、お茶の水女子大学教授。現在は同大学名誉教授。53年に数学者の視点から眺めた清新な留学記『若き数学者のアメリカ』(新潮文庫)で日本エッセイスト・クラブ賞受賞。ユーモアと知性に根ざした独自の随筆スタイルを確立する。280万部の大ベストセラー『国家の品格』(新潮新書)をはじめ著書多数。最新刊に『日本人の真価』(文春新書)。
2022年6月17日、27年間の営業に幕を閉じた文教堂赤坂店に掲示された張り紙
国家基本問題研究所理事長
櫻井よしこ
さくらい・よしこ
ベトナム生まれ。ハワイ州立大学歴史学部卒業後、「クリスチャン・サイエンス・モニター」紙東京支局勤務。日本テレビニュースキャスターなどを経て、現在はフリージャーナリスト。平成19年に国家基本問題研究所を設立し、理事長に就任。23年第26回正論大賞受賞。24年インターネット配信の「言論テレビ」創設、若い世代への情報発信に取り組む。著書多数。最新刊に『わが国に迫る地政学的危機 憲法を今すぐ改正せよ』(ケント・ギルバート氏との共著/ビジネス社)。