かねて指摘されてきた若者の読書離れに、便利な情報機器の普及なども相俟って一層拍車が掛かっている。しかし近年、脳科学の目覚ましい発達により読書の重要性が改めて注目を集め始めているという。長年にわたり独自の国語教育を実践してきた土屋秀宇氏と、読書が脳に与える驚くべき効果を実証してきた川島隆太氏に、各々の体験を交え、子供の読書習慣を育むことの重要性を語り合っていただいた。
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平成29年度に4万人の子供たちを対象に行った読書時間と成績の関係。読書時間が長いほど成績が高くなっている。※読書のために勉強や睡眠の時間を削ることは成績低下に繋がる可能性もある
東北大学加齢医学研究所所長
川島隆太
かわしま・りゅうた
昭和34年千葉県生まれ。東北大学医学部卒業。同大学院医学系研究科修了(医学博士)。同大学加齢医学研究所所長。専門は脳機能イメージング学。著書に『読書がたくましい脳をつくる』(くもん出版)『やってはいけない脳の習慣』(青春新書)『スマホが学力を破壊する』(集英社)など多数。共著に『素読のすすめ』(致知出版社)などがある。
「母と子の美しい言葉の教育」推進協会会長
土屋秀宇
つちや・ひでお
昭和17年千葉県生まれ。千葉大学教育学部卒業後、県内で中学校英語教師を務める。13年間にわたり小中学校の校長を歴任し、平成15年定年退職。その後、日本漢字教育振興協會理事長、漢字文化振興協会理事、國語問題協議會評議員などを務める。30年一般社団法人「母と子の美しい言葉の教育」推進協会設立。著書に『日本語「ぢ」と「じ」の謎』(光文社)など。