北アルプスの奥地、その巨大な雄姿で見る者を圧倒する黒四ダム。規模の大きさと建設の困難さゆえに、実現不可能とも言われたこの大事業に挑んだのが、関西電力初代社長の太田垣士郎である。彼はいかにして難局に次ぐ難局を乗り越え、電力供給による戦後復興の志を全うしたのか。この稀な人物から学ぶべきものについて、詳伝を手掛けた北 康利氏に伺った(写真:黒四ダム竣工式に日 ©関西電力提供)。
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作家
北 康利
きた・やすとし
昭和35年愛知県生まれ。東京大学法学部卒業後、富士銀行入行。富士証券投資戦略部長、みずほ証券業務企画部長等を歴任。平成20年みずほ証券を退職し、本格的に作家活動に入る。『白洲次郎 占領を背負った男』(講談社)で第14回山本七平賞受賞。著書は『日本を創った男たち』(致知出版社)など多数。近著に『胆斗の人 太田垣士郎』(文藝春秋)がある。